コミケの前に



ついに桑田投手に戦力外通告がでてしまいましたね…

遠くアメリカで怪我をしながら不屈の闘志で頑張った

桑田さんをおっちぃはいつまでも応援します!


不屈の闘志といえばわたしの叔父である「ひろし」

私の父代わりとして様々な伝説を作ってきた「ひろし」

どっからどう見てもカタギには見えない愛すべき「ひろし」


ある時「ひろし」の家に一本の電話が鳴りました

その内容とは「ひろし」が事故を起こし車は大破、

状況からすると生命に危険が及ぶかも、との事でした


当時小学生だった僕にもその深刻さは伝わります

よく分からないけど「ひろし」にもう会えないのではないか?

毎日酒を浴びるように飲んでた彼は帰ってこないのではないか?


そう思うと短いながらにも彼と過ごした思い出が頭をよぎり、

苦しさで胸がはりさけそうだった事を今でも思い出します


いつもは気丈でならす彼の妻、(僕の叔母)

細木数子にメガネをかけさせたような威丈夫な叔母、

そんな彼女ですら泣き喚き、立つことも出来ないほど

衰弱してしまいました


そんな我々が急いで病院に向かって見た光景とは…


医者の前で、叱られた子供のようにうつむく黒い影、

いや、ようにではなく本当にいい大人が医者に叱られ

うつむいてていました


そして傷だらけの腕にはなぜか新聞紙が…


そう、車を大破させ、命の危機に陥っているはずの

「ひろし」がそこにいました


後から聞いた話では病院に着いた彼は看護婦の言う事を聞かず

「こんなの巻いてられるか!」と勝手に包帯やらを解き、

傷口を新聞紙で塞いで「もう帰る!」と言い出したそうな


我々が見たのはそこを医者に止められ、しょんぼりしている

「ひろし」だったのです


こんな事が起きた後、僕と従兄弟はお互いに笑い合い、

ひろしにあだ名を付けました


どんな事が起きても必ず復活する、絶対に死なない人間、


「フェニックスひろし」


ところでフェニックスという言葉は不死鳥という意味と、

もう一つ意味があります


冒頭の桑田投手はちょうどこの事故の辺りにアメリカへ留学し、

その場所を今でも自分の原点にしているそうです


その地名こそアリゾナ州"フェニックス"


ここを原点に選んだ桑田投手がこの後どうするかは分かりません


しかし、高い年俸を捨てアメリカに挑んだ桑田

命の危機を新聞紙で切り抜けようとした「ひろし」


どちらも見ようによってはバカな大人かもしれません

しかし、僕はそんなバカな大人達が大好きです!


頑張れ桑田!頑張れ「ひろし」!

(おしまい)